AMDのTrue Quad-Core “Phenom”が発売になったようです。海外から、そして今日は日本のニュースサイトでも芳しくないベンチマーク結果が出てますけど、まあ今の段階で判断するのは無理でしょう。 なんせ問題が多すぎで…。

というわけでリテール付属のキーホルダー

phenom.JPG

買った……わけじゃなくて事前説明会で配られたもんです。リテールに付属すると言われてるのと同じものだそうです。4コアだってことが分かりますね~。

まともになるであろう来年に期待してますよAMDさん。

真空管OTLを作ってみたいという人は多いようですね。私も以前は興味がありましたが、いろいろ考えるに無理にOTLする意味は無いかなと最近は思ってたりします。

真空管によるSEPP出力段が面倒のはバイアスの関係で電源の構成が複雑になりがちなことです。真空管にはコンプリメンタリーな素子が(当然)ないですし。

そこで、その昔、PNPのパワートランジスタがなかった当時に使われたという下側にインバーテッドダーリントンを使った擬似的なコンプリメンタリー……いわゆる準コンプリメンタリーはできないかと考えました。

inv_sepp.png

こんな感じ。カソードを持ち上げてバイアスを与えてますんで、6C33C-Bみたいに深いバイアスが必要なのだと、ちと無理があるっぽい。グリッドを+領域まで振るとグリッド電流が流れるためエミッタフォロアを介します。

inv_sepp2.png

上下を合わせたハイブリッド準コンプリメンタリーSEPP OTL出力段です。

inv_sepp3.png

上下プレート電流と出力のグラフ。6CW5を4本くらいパラにすれば数Wは得られるんじゃないでしょうか。でも上下に非対称が生じてますね、うーんダメかなこれは。

こちらがお留守になってました。この辺の最後にも書いてありますが引越しがあったので…。

CSPPですが、いちおう試しに6CK4を手に入れてみた、という段階。まだ忙しくてペア組みしてないので何もできないんですね、これが。

それはさておき、こんなのも考えてみた。

invert.png

出力はこれ

invert_out.png

Idはこんな感じ

invert_i.png

3極管とPMOSのハイブリッドインバーテッドダーリントンでCSPPしてみる、という感じです。終段にゲインがあり、3極管の特性が殺されず、かつ出力インピーダンスが低くSPが直接駆動できる、というのが利点じゃないでしょうか。

3極管の負荷抵抗がPMOSの入力容量にパラに入る格好なので、高域が悪化しますが、10kΩ以下にしておけば(音声帯域であれば)問題ないんじゃないかと思います。

もうひとつの難点は各部の電位関係が扱いづらい点で、1:1のトランスを使うと楽ですけど、そういうのは手に入らないでしょうね…

(追記)

こんな感じのテスト回路シミュレーションでEp-Ip特性曲線をとってみます。

invert_test.png

デプレッション型ではカットオフしないので、エンハンスメント型に変えました。電源電圧50Vとして8Ωの負荷線とドレイン損失100Wを適当にプロットしたものを入れたのがこれ。

invert_epip.png

このように、3極管類似の特性が得られます。μは12AU7のμですね。

[CEDEC 2007]タイトーサウンドチーム「ZUNTATA」によるゲームサウンド発達史入門

ZUNTATAの威光は失われてないようで、ずいぶんリンクされている方が多いですね。割と長いコメントを書かれていた

ZUNTATAは老いてしまった

が目にとまったのでトラックバックの形でコメントを入れておきます。なんせ、この記事を書いたのは私ですからね責任上。

あたかも「わしの若い頃はのぉ……」と老人が孫に昔話を聞かせているように見えて、何だか哀しくなりました。

これはですね、私自身がPSGからPCの音で遊んできた人間なもんで、私自身の思い入れもあって「わしの若い頃はのぉ……」って読めちゃうんだろうなと思います。その辺、割り引いていただければ、と。

それから、個々の発言は、その場の発言の本当のコピーではありませんので、細かいニュアンスは伝え切れていないかもしれません。当然といえば当然ですが、人の話というのは、そのままでは記事になりません(そのまんま、乗っけてもワケワカな文章になりますから)から、ある程度、補足しつつアレンジを加えてあります。もちろん、間違ったことは書いていませんが「そういうことを言っていた」というレベルで、文章の細かいニュアンスに突っ込まれると、ちょっと困るかなあ、と。ZUNTATAは(私も含めて)思い入れがあるかたも多いでしょうから、その辺、ちょっと心配です。

セッションのタイトルを見たとき、ZUNTATAのサウンド作りのノウハウが聞けるんじゃないかなと期待したのは事実で、過去を振り返る系の話が多かったことには「どうなんだろう?」と確かに思いましたね。若いクリエーターも大勢きてましましたが、そういう人にPSGを語っても意味が……もちろん、まったくないわけじゃないでしょうけど……あるのかなあ、と。

スーパースィープに関しては質疑応答セクションでも質問が出ました。来場されてる方はゲームのクリエーターばっかですけど、そういう人たちの多くがZUNTATAのファンだったりするわけで当然、突っ込みが入るわけですよね。

ZUNTATAもずいぶん人が減ってしまってるようでした(何人いるんですか?という質問も出てたな、そういえば)し、時代が時代ですからZUNTATAが変わるのも無理はないのかな、と。そういう厳しい時代の中で、どうクリエイティビティを維持していくかが課題なんでしょう。

JFETのソースフォロアを3極管のカソードフォロアに変えれば、うまくいけば歪が打ち消されるのでは、と思ったら案の定、歪率が下がります。.fourの解析で1W時、0.1%を楽にきるようになりました。

cspp4.png

差動の下側は12AU7が動いていれば+数VになるのでGNDに落とせば良く電源がひとつ減って嬉しいのですが、12AU7のヒーターが暖まらずプレート電流が流れ出してないときにはBi1が定電流性を維持できず、結果Trが壊れる恐れるので-数Vに落とします。こうしとけばヒーターが暖まってないときにも壊れないので。-12Vにしたのは、どのみち12AU7のヒーターが要りますから、それを-12Vとして使えばいいのでは、ということで。

それと、+140Vは前のなら安定化しなくてもいいんですけど、この場合だと安定化したほうがいいかもしれませんね。同相なので打ち消されるとはいえ、完全には打ち消されずノイズになってしまうでしょう多分。

初段に真空管を使うと差動のバランスをとるのが面倒になりそうです。双3極管といっても、特性がそうそろってるわけでもないでしょうし。でも歪が下がるのはいいかもしれないなあ…。

歪率を改善するため初段にバイポーラTrを使いたいけれども入力インピーダンスが低くなるのはいやだなあ、というわけでJFETのソースフォロア+バイポーラTr差動という形にしてみました。

cspp3.png

実製作が可能そうな回路になってきたので定数を少し詰めて、一部の部品を実現可能性のあるものにしてみました。初段に使っているSSM2210PはアナデバのデュアルNPN Trです。国産のデュアルTrが入手できなくなっているので、今ならこれでしょうか。モデルはネットを探して拾ってきました。Q1、Q2は耐圧が十分に高い適当なTrを利用すればOKでしょう(ストックがあったFairchild TIP50のモデルを試してみましたがシミュレーションが停止してしまうので止めてます)。

初段のソースフォロアに使うJFETにはデュアルの2SK389を持ってきてます。できればデュアルのがいいんですけど、この2SK389は入手できないし、あっても高いので、どうしようかなあ、ってとこです。

歪率は.fourの解析で1kHz、1W時0.1%を切るくらい。バイアスは-38V程度でアイドリング電流は26mA、アイドリング電流を増やすほど当然、歪率はよくなりますが、6CK4の定格を超えてしまう。26mAでも厳しいかも。

ドライブ電流に1mAしか流してませんけど、この回路では当然グリッドは0Vまでしか振れないし、グリッドが0Vのときにはグリッドリークはほとんど流れないので、たいした問題はないと思われます。これなら下側Bi1の定電流回路にJFETが使えて簡単ですし、JFETを選んでQ点付近にもってくれば温度の影響を受けず楽々です。Bi2は定電流ダイオードを3個シリースくらいでいいのではないかと。

カソードから嵩上げしているので、6CK4の動作とは余り関係なくバイアスが決まってしまうので、割と容易に製作できそうな気がします(電源部を除き)。6CK4のペア組みが最大の難関ですが、B点と両カソードの電圧が等しくなるようなペアを探せばいいので、6CK4の本数をそろえれば、ペア組みはそう厄介ではないような。ただ、6CK4はバラつきが多いと聞くので、どうかな、といったところですね。

GNDの位置を変えてグリッドをマイナスに引っ張った2段作動なんてのも検討してみましたが、あまりうまくないので元に戻しました。

現実性を考えると、かなりの問題があって、まず出力管のカソードが対GNDに対して電位が高いので、ヒーターとカソードを接続するヒーターバイアスが必要になりますが、6BX7-GTでは内部の2つの三極のヒーターがつながってます。同一管内の2ユニット内をパラにするとペア組みが非常に難しいことが分かっていますが、かといってヒーターバイアスの関係で2つの管のユニット同士のパラという手が使えません。そこで、6BX7-GTと同程度の単一にユニットの3極管6CK4を持ってきました。

もうひとつ、トランスの1次側インピーダンスはロードラインとか引いてないので厳密には出してませんが2kΩ前後になるんじゃないかと思われます。そんなP-P用のトランスは多分ないでしょうね。

Amplimoの1次側のL1、L2が独立したのを思い出したので、これをパラにして使うという手があります。ですが、その場合は前のようにトランス中点から嵩上げできないので、他の方法を考えなきゃなりません。いくつかパターンがあるようですが、両管のカソード中点から嵩上げするのが一番簡単そうで、かつ問題が少ないんじゃないかと思います。

cspp2.png

こんな感じ。電源投入と同時にグリッドバイアスが決まるので特別な仕掛けはいらないですし、6CK4のペア組みが可能なら、これで、そこそこ安定して動くアンプになるんじゃないでしょうか。裸ゲインが大きいので、安定したNFBがかけられるかどうか難しいところですが…。

難点は電源の数ですかね、やっぱ。P-Pステレオ分のフローティング電源が4つ、嵩上げがステレオ分で1つ、-Veeが1つ、独立したヒーター巻き線が4つ。1:1の絶縁トランスを使って倍電圧整流でフローティング電源を得ればコストは抑えられそうですけどトランスが6個くらいいるんでトランスだらけのアンプになるような。かといってトランス特注すると高いでからねえ。

なんかネタはないかなと、CSPPを試してみました。基本はこんな感じ

cspp.png

CSPPはフローティング電源が必要なことから最初は良く分からない???でしたけど、図面を引いてシミュレートしてみると、そう難しい回路ではないんですねー、なるほど。これはシミュレーションですから適当で、当然ながらQ1、Q2は耐圧の高いTrにしなければなりませんし、定数をつめる必要があります。

裸ゲインは小さいですが、それでも使える程度のゲインはあるし、このシンプルさは魅力かも。ただ、このままだと現物はDCが安定しないだろうなあ。それと、電源が5つもいるというのが難かもですね。

8月も終わりですね、いや暑かった。ネタを2つくらい。

まず最初はKURO-BOX/PRO。

玄人志向 PCIExpressX16toX1変換基板 KRHK-PCIEX16toX1というものが発売されたので、さっそく手に入れてテストしてみました。

pcix.jpg

つながってるのはGIGABYTEのGeForce PCX 5750を積んだグラフィックカードです。これで使えればスタンドアロンのLinuxマシンに……と思ったんですけど結論から言うと駄目でした。PCIのリソースが上手く割り当てられません。カーネルの該当箇所を眺めたり、PCI Expressの割り当てメモリのアドレスを変えてみたりしましたが、やっぱり駄目。他にもグラフィックカードを試して挫折してる人がいるらしいので、これ以上の追求は無駄と思って止めてしまいました、残念。

VGAは駄目、ブリッジは駄目ということで、KURO-BOX/PROのPCI Expressはやっぱり使えんという結論になるかのも…。

次のネタはちょっと感心した話。昨年末ごろ、三菱の液晶モニタRDT201L

という奴を買ったのですが、なんと壊れてしまいました。電源が入らない。天下の三菱製が情けないと思ったものの保証期間中なのでサポートに電話してみると、即日引き取りに来て、中1日で直して帰ってきたんですね。素晴らしい。修理内容は、マザーボード交換とのこと。

三菱を宣伝する気はないですけど、さすが他社製よりちょっとお高いだけのことはあるかなと感心。仕事で使うモニタで壊れて困るというようなケースだと、この三菱の迅速なサポート体制は心強いのではないかと。

もっとも、1年も経たずに壊れたこと自体は余り感心しないわけですけれども…。

原爆投下の日に前後して、

という本を読み進め、ほぼ読了しました。

ロバート・オッペンハイマーは初代ロスアラモス研究所所長として広島・長崎に投下された原爆の開発を主導した人物ですから、我々日本人としては複雑な感情を持たざるを得ないかもしれません。同時に、オッペンハイマーは戦後、マッカーシーのアカ狩りに巻き込まれて公職追放の憂き目に合うという、現代の複雑な悲劇を体現した物理学者でもありました。

この本はオッペンハイマーの個人史に焦点をあてたもので、原爆開発のテクニカルな側面みたいなものにはほとんど触れられていません。オッペンハイマーの生い立ちや、関係した人々、そして時折々の会話などが丹念に拾われていて、オッペンハイマーがどういう人物であったのか、その実像に迫ろうというような本です。

といっても非常に複雑な人のようで、つかみ所のなさは最後まで残ります。もともと人道的観点から共産主義者に親近感を抱いていたオッペンハイマー……1930年代に貧困や人種問題に真剣に取り組んでいたのは共産主義者だけだったわけですから、その気持ちは理解できます……が、なぜ非人道的な核兵器の開発に協力した、どころではなく全知全能を挙げて取り組んだのか、その動機はなかなか複雑です。

ただ、この本でなるほどなあ、と思ったのはニールス・ボーアの影響を強く受けていたらしいというあたりです。オッペンハイマーはボーアを神のように崇めていたようで、そのボーアは原子爆弾という想像を絶するほどの強力な兵器が開発されて実戦で使用されることで、戦後、各国は核を共同で管理せざるを得なくなり、ひいては世界統一政府へ、という夢のような構想を抱いていたようで、オッペンハイマーもその考えに共鳴したいたようなフシが伺われます。核兵器が実戦で使用され、その恐怖を世界が目の当たりにすることで戦争のない世界を導く、という感じでしょうか。

まあ、落とされた側からすれば「とんでもない残酷さ」ではありますけど大儀のためには犠牲はやむを得ないという考えがあったんでしょう。 自分に累が及ばない立場なら、大儀のために捨てられる命を惜んだりはしないというのはボーアやオッペンハイマーだけではなく万人に共通の残酷さでしょうね。

この本で力点が置かれているのは言うまでもなく、戦後、オッペンハイマーが失墜することになる経緯です。オッペンハイマーは共産主義者の友人が多く(そもそも奥さんが元共産党員)、共産党シンパではあったのは事実です(この本にも詳しく交友関係などが記されています)。しかし、過去に共産党員であったことはなく(ひとつの考え方に縛られるほど単純な人物ではなかった)、ロスアラモスでは全力を挙げて米国のために尽くしたにも関わらず、結局、過去に共産党シンパだったという、ただそれだけの理由で断罪され、公職から追われてFBIからの執拗な監視を受ける身になってしまいます。

その経緯が克明に記されていますが、これが自由の国アメリカのやり方なのかと感心します。まあ、どの国もそんな物、ということですね。

オッペンハイマーの敵を作りやすい性格によるところも大きいようで、親友だったアブラハム・パイスのこの本

にも記されていますが、オッペンハイマーは非常に紳士的で、また人に親切に振る舞うことがある半面、残酷な物言いをして人を傷つけることもあったようです。とくに「馬鹿」には我慢がならなかったようで徹底的にやりこめることがあったとか。

その被害にあった人物の一人に、後の米国原子力委員会委員長のストローズがいます。ストローズはオッペンハイマーから侮辱されたことを恨んで、オッペンハイマーを陥れるために、ありとあらゆる手段を講じ、結局オッペンハイマーの公職追放に大きな役割を果たすことになります。

このストローズという人は粘着質の人物だったようで、第五福龍丸事件の際にも第五福龍丸がソヴィエトのスパイ行為を働いていた(そんな証拠はどこにもない)として捜査を命じ執拗に調べてみたり、水爆実験の人的被害に関して虚偽報告を行うなど、ロクなことはしていないことから、オッペンハイマーが嫌ったのも当然という気がします。

水爆の父、エドワード・テラーも同じような感じでしょう。オッペンハイマーから侮辱されたことがあったかどうかは、この本でも分らないのですが、オッペンハイマーが我慢ならない種類の「馬鹿」であったことは確からしく、オッペンハイマーを陥れることに協力しています。テラーは科学者としても、またプロジェクトリーダーとしても三流以下だったというのは定説ですから、オッペンハイマーの卓越したリーダシップとかカリスマに嫉妬していたのかもしれません。

オッペンハイマーは原子爆弾を生み出したことに罪の意識を持っていた、とされることも多いですが、そう単純な心境でもなかったようです。事実、原子爆弾開発を行ったことを後悔していないし、成功に導いたことを誇りに思う、と述べています。一方で、それが日本の人々に罪の意識を感じないということではない(感じている)とも述べていて、いろいろと複雑な心境だったのだろうなと思います。

まあ、いずれにしても唯一の被爆国、日本人として読んで損はない本じゃないかなと思います。オッペンハイマーの人となりを友人という角度から知ることが出来るパイスの本もお薦めです。

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